閉経の前後10年間をさす「更年期」は、卵巣が生殖機能を終えることによってホルモンバランスが大きく変化するため、体調が変化しやすい時期です。
更年期に女性ホルモンが減少するスピードは個人差があるため、更年期でも体調不良を感じないという人もいれば、寝込んでしまうほどつらいという人もおり、症状の現れ方も体に強く出る人と、精神面に強く出る人など、強さや症状も様々です。
中でも、日常生活に支障が出る場合は「更年期障害」といい、症状が重い場合は医療機関で診察を受けたほうがよいこともあります。
更年期障害の主な症状
症状1:ホットフラッシュ
多くの女性が更年期障害の症状として訴える「ホットフラッシュ」は、気温や時間、状況は関係なく体や顔のほてり、発汗、のぼせが出る症状です。
外出中や人前でも突然起こるため、周囲の人を驚かせたり心配させてしまうほか、大量の汗をかいてしまうことで「恥ずかしい」という気持ちになることもあり、持続時間が短く症状が軽い場合でもストレスを感じてしまいます。
ホットフラッシュはホルモンバランスや自律神経の乱れによって起こる症状であり、時間の経過とともに治まっていく傾向にあるため特に心配する必要はないのですが、動悸、息切れ、めまい、頭痛をともない持続時間が長い場合や、発作の起こる間隔がだんだん短くなる、持続時間がだんだん長く、症状が重くなってくるなどの場合は、他の病気が隠れている可能性もありますので、一度、医療機関で相談することをおすすめします。
症状2:鬱のような落ち込みやイライラ
気分の落ち込みや理由のないイライラは、生理前に起こる症状として有名ですが、更年期の場合も気分の落ち込みやイライラを感じる人が多く、更年期障害と言われるほど重くなると「鬱病」や「解離性障害(ヒステリー)」のような状態になることもあります。
寝込むほど気分が落ち込んでしまう場合は、家事や仕事が以前のようにできなくなったことから自身を喪失してしまい、更年期障害から鬱病になってしまうことがあるので特に注意が必要です。
まとめ
このほか、更年期には肩こり、腰痛、関節痛、不眠、食欲不振、倦怠感など、さまざまな症状が現れます。
また、女性ホルモンが減少することで髪が薄くなる、骨が弱くなるほか、生活習慣病にもかかりやすいといわれているため、塩分や脂肪、炭水化物の多い食事を控え、カルシウムやマグネシウム、ビタミンなどを多く含む食事に切り替えるなど、生活習慣を見直していく必要があります。