自律神経とは、日中の活動時に活発に働く「交感神経」と、夜の就寝時など体を休めているときに働く「副交感神経」のことです。
自律神経が整っている状態では、交感神経や副交感神経が「必要な時に、必要なだけ」働くのですが、自律神経が乱れている状態では交感神経ばかりが優位に働き、不眠症、肩コリ、胃腸不調など、さまざまな体調不良の原因となります。
自律神経が乱れる主な原因
原因1:生活リズムの乱れ
起きる時間や寝る時間が一定でない人や、睡眠時間が日によって大きく違う、食事をする時間が決まっていないなど、生活のリズムが乱れていると、体が「睡眠や消化を司る副交感神経を機能させるタイミング」を把握できなくなり、副交感神経の機能が低下、交感神経ばかりが活発に働く状態になります。
副交感神経の機能を落とさないためには、睡眠や食事といった生活のリズムを一定に保つことが重要です。
原因2:強いストレス
交感神経は運動をしているときだけではなく、強い不安や恐怖といった精神的なストレスや、寒暖差、光の刺激などの身体的なストレスを受けたときにも活発に働きます。
そのため、仕事などでストレスを感じやすい人、不安を感じやすい人、緊張しやすい人はもちろん、一日のうちに大きく気温が変動する季節の変わり目や、強い冷暖房のかかった部屋で過ごす人、パソコンやスマホを長時間使う人は交感神経が強く働くため、相対的に副交感神経が弱くなってしまいます。
精神的なストレスは性格によるものであるため、軽減するのは難しいですが、身体的なストレスは季節や環境に合わせた服装を選ぶ、寝る前にはパソコンやスマホを見ないなど、生活を工夫することでストレスを減らすことができます。
また、ストレスを解消する軽い運動、リラックス効果で副交感神経の働きを高めるマッサージや入浴などを上手く取り入れると、自律神経が乱れにくくなります。
原因3:ホルモンバランスの乱れ
ホルモンの分泌を制御している脳の視床下部は、自律神経の働きも制御しているため、ホルモンバランスが乱れることで視床下部の働きが乱れると、自律神経の働きも連鎖するように乱れてしまいます。
そのため、一か月の間にホルモンの分泌が大きく変化する女性は、男性に比べると自律神経が乱れやすく、更年期や月経前症候群の女性は特に注意が必要です。
女性ホルモンの分泌を安定させる効果がある食事やサプリメントをとるほか、医師から薬を処方してもらうなど、ホルモンバランスを整えることで自律神経の乱れを防ぐことができます。
まとめ
ストレスが多く多忙な現代社会は、交感神経が働く機会が多くなりがちです。
交感神経が活発になる要因を減らし、副交感神経を活性化させる生活スタイルを作ることで、自律神経を整えると、毎日を快適に過ごすことができます。