不妊に悩んで病院で検査を受けてみたものの、基礎体温や経膣超音波診断などの一般検査では問題はみつからなかったという人は、生活習慣の乱れなどが理由で卵巣や子宮の機能が低下している可能性があります。
普段のライフスタイルを見直して体質改善に取り組んでみるとよいかもしれません。
不妊体質改善のポイント
夜更かしを控える
卵子を作る卵巣はホルモンバランスの影響を受けやすく、体が疲労した状態だと機能が落ちてしまいます。
また、睡眠中は卵巣の修復を助けるホルモン「メラトニン」が分泌されるため、体の疲労を回復させ、卵巣の機能を高めるためにも、質の良い睡眠をたくさんとることが重要です。
夜はパソコンやスマホなどの強い光を避ける、カフェインを多く含む飲み物を飲まないなど、脳が興奮・覚醒してしまうことを避けましょう。
血行を良くする
ホルモンは血液の流れに乗って移動し、特定の部位に到達して初めて働き始めます。
血液は、生命維持に重要な胃や腸などの器官に優先的に送られ、生命維持にあまり重要ではない卵子や子宮などの器官は「あとまわし」になるという特徴があるため、血行が悪いと卵巣や子宮には血液が充分行き届かず、ホルモンの働きも落ちてしまいます。
体を締め付ける下着を避け、半身浴や岩盤浴などで体を温めることで血行を改善しましょう。
飲酒・喫煙をやめる
リラックス効果がありストレス発散にもなるお酒は、少量であれば不妊の原因になることはないといわれています。
しかし、毎晩お酒を飲むなど、過度の飲酒は生理不順、排卵障害、着床障害などに繋がるという研究データがあり、特に妊娠初期の飲酒は胎児発育不全や奇形リスクを高めるため、着床しても初期流産してしまう確率が高くなります。
喫煙は、煙草に含まれるニコチンが血管を収縮し、血行を悪化させるだけではなく、有害な化学物質が卵子を傷つけて機能を低下させてしまいます。
自分で吸う場合はもちろん、煙草から出る副流煙を吸う「受動喫煙」も有害ですので、パートナーに喫煙をやめてもらう、全席禁煙のお店を利用するなど、周りの環境にも注意が必要です。
有酸素運動をする
運動には自律神経を活性化する働きがあります。
自律神経が整えば、同様に視床下部でコントロールされているホルモンバランスも整います。
また、運動することで血行が良くなるため、血液に含まれる栄養、酸素、ホルモンが卵巣や子宮にも届くようになり、機能が回復します。
さらに、不妊リスクを上げる肥満を防ぐ効果、ストレス発散効果、睡眠の質を上げる効果もあり、運動は不妊体質を改善する最適な方法といえます。
ただし、激しい運動は体に大きなストレスがかかり、無月経や排卵障害などの原因となるため避けましょう。
軽く息が弾む程度のウォーキングやリラックス効果のあるヨガ、水泳やサイクリングがおすすめです。
まとめ
体質改善に取り組んではみたものの、なかなか妊娠できない場合は、卵巣や子宮の状態を調べる「腹腔鏡検査」や、受精させるとともに卵子の状態を観察できる「人工授精」を受けることも検討してください。
より詳しい検査を受けることで、一般不妊検査ではわからなかった問題や、不妊の原因が判明することもあります。