腰痛や肩の痛み、ダイエットに効果があると話題の骨盤矯正など、体の痛みや不調を改善してくれると人気を集めているのが、接骨院や整体院、カイロプラクティックです。
どこに行っても受けられる治療は似たような内容というイメージがありますが、実はいくつかの違いがあります。
接骨院・整体院・カイロプラクティックの違い
接骨院
接骨院は「整骨院」「ほねつぎ」とも呼ばれますが、法的な正式名称は「施術所」といい、最大の特徴は、施術者が「柔道整復師」という国家資格を持っていることです。
柔道整復師は、厚生労働大臣認可の専門学校や大学で専門知識を身につけたあと、 柔道整復研修試験財団が行う国家試験に合格して初めて取得することができる資格で、投薬や手術を行うことができませんが、医師から診断を受けた骨折・脱臼や、捻挫・打撲・挫傷に対して施術を行うことができます。
なお、接骨院での施術は「外傷性の骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷(肉離れなど)のうち、「急性または亜急性の疾病」に限りますが、健康保険が適応されます。
整体院
整体院は、接骨院の別名でもある「整骨院」と名前が似ていますが、接骨院・整骨院のように、施術者が「柔道整復師」の資格を持っておらず、整体で施術は内容に限らず健康保険の適応を受けることができません。
整体院で受けられる施術内容は整体院によって異なりますが、東洋医学の思想を取り入れた「ツボ」を刺激するマッサージ、「体のゆがみ」を矯正するストレッチや関節の矯正を行っているところが多いほか、独自に開発した枕やマットレスを販売している整体院や、女性専用の整体院や、エステメニューを用意している整体院もあります。
施術者の技術のばらつきが大きく、コリや痛みをキレイに解消してくれる整体院もあれば、医学的根拠に乏しい施術や、無理な施術で体を傷つける整体院もあるため注意が必要です。
カイロプラクティック
カイロプラクティック(カイロ)は、医学的知識と根拠に基づいた脊椎ヘルスケアとしてアメリカで誕生しました。
カイロプラクティックの施術者は、アメリカ、イギリス、オーストラリアなど、約40か国では専門職として法制化されており、きちんとした教育と技術を身に着けています。
しかし、日本ではカイロプラクティックの施術者に対する法制分がされておらず、誰でもカイロプラクターを名乗ることができる状態となっており、アメリカなどできちんと教育を受けたカイロプラクターと、教育を受けていないカイロプラクターが混在している状態です。
また、施術者が「柔道整復師」の資格を持っていないため、健康保険の適応を受けることができません。
カイロプラクティックの施術は、施術者がカイロプラクターの教育を受けているかどうかによって技術に差があり、施術者によっては体を傷つける可能性があります。
まとめ
一般的に、接骨院はぎっくり腰であれば腰、五十肩であれば肩など、痛みのある部分を重点的にケアし、痛みの原因がはっきりしており、受傷してから時間が経っていない「ぎっくり腰」「捻挫」などは健康保険適応の施術を受けることができます。
一方、接骨院では受けることができない、リラクゼーションメニューなどの独自の施術や、体全体のバランスを重視した総合的なケアを受けられるのが整体院やカイロプラクティックです。
施術内容に関わらず健康保険を利用できませんが、原因不明の慢性的な腰痛や肩コリなど、接骨院で健康保険が適応されない施術の場合、整体院やカイロプラクティックの方が安い料金で施術を受けられることがあります。
ただし、整体院やカイロプラクティックは施術者によって技術に差があるため、事前に口コミなどを調べてから利用したほうが安心です。