食事や運動など、生活習慣を改善してみたけれど更年期の症状がつらいとき、症状を和らげるためにできるのが「病院に通ってホルモン治療を受ける」という方法です。
しかし、注射や薬でホルモンを補充するのは不安、副作用が心配という人も多いようです。
更年期の症状を和らげたいけれど、病院に行くのはちょっと…という人は、漢方薬を試してみてはいかがでしょうか。
漢方での「更年期」の考え方
更年期は「人生の過程」の一つ
西洋医学の考えでは、更年期は「女性ホルモンの減少によって現れる症状」としてとらえており、一つ一つの症状や臓器に対して治療や投薬をするというスタンスです。
一方、漢方では更年期を「血液が滞留する時期」としてとらえており、症状に対して働きかけるのではなく、症状を引き起こしている「血液の流れ」や「水分の代謝」がスムーズにできるようサポートするというスタンスです。
漢方では更年期を「人生の過程」と考えており、その時期と体質に合った方法で働きかけます。
更年期の症状は「瘀血(おけつ)」と「血熱」が原因
漢方の考えでは、それぞれの内臓を「気」「血」「水」の3つが繋いでおり、更年期は、体内で栄養だけではなく、熱を運んでいる「血」が滞留する「瘀血(おけつ)」でさまざまな症状を引き起こしていると考えています。
血液が滞ってしまうと顔や上半身に熱がたまって「のぼせ」「ほてり」「多汗」、頭に血が上って「イライラ」、たまった熱が一度に発散されることで体が冷えてしまう「冷え性」が起こります。
また、血液が停滞していると自然治癒力が上手く働かず不快症状が長引くため、更年期の漢方は「瘀血(おけつ)」を改善し、「血熱」をとることが大切と考えられています。
更年期の症状を和らげる漢方
更年期に使用される「三大漢方薬」
漢方薬は「瘀血(おけつ)」などの状態や症状と、飲む人の体力によって何を使用するかを選べます。
更年期に使用される漢方薬は多く、30種類以上の漢方薬がありますが、代表的な漢方薬は以下の3つです。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)…痩せている、体力がない、冷え性の人向け。
めまい、冷え、貧血、むくみ、肩こり、脱力感、倦怠感、むくみ、月経不順などに効果がある。
- 加味逍遥散(かみしょうようさん)…やや体力がない人向け。
めまい、頭痛、肩こり、のぼせ、発汗、イライラ、不安感、動悸、腰痛、疲れやすい症状を改善する。
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)…体力が中くらいある人向け。
赤ら顔、のぼせやすいのに足が冷える、下腹部が張る、月経異常、子宮内膜症、皮膚のトラブルを解消する。
このほか、イライラなどの神経症状が強い人には「柴胡加龍骨牡蛎湯」(さいこかりゅうこつぼれいとう)、気分の落ち込みが強い人は半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)などもおすすめです。
まとめ
漢方薬は体質との相性があるため、飲んでいるけれど効果が実感できないということがあります。
そんなときは違う漢方薬を使用することで症状が改善することがありますので、飲み始めて2週間程度たっても症状が改善しないという場合は、違う漢方薬を試してもよいかもしれません。
更年期の症状を和らげる漢方薬をお探しの方は、弊社にご相談ください。